理事長挨拶
これまで、本学会が一般社団法人としての新しい門出の重要な節目に、副理事長として関われたことは私自身にとっても大きな経験でした。当時は財務担当の副理事長として、本学会ならびにスポーツ医学の発展に貢献すること、理事長の負担を軽減すること、高岸理事長、麻生副理事長が実施されてきました財務の健全化などを中心に会の運営に努めてまいりました。そして前回は総務担当副理事長として、松本理事長のもとで田中副理事長ならびに役員、代議員の皆様と一緒に、事業の推進とスポーツ専門の医学会としての役割をより鮮明にしてまいりました。また、学会の活性化やスポーツドクターを含めたsubspecialityへの対応も重要な課題と思っております。そのためにも、AOSSM、KOSSM、GOTSを含めたスポーツ医学会や医師以外のメディカルスタッフとの連携の推進が必要不可欠です。スポーツ医学の発展に整形外科医やその代表的学会であります本学会が果たす役割は重要であり、メディカルスタッフ、多職種、指導者などと、より一層連携することがスポーツ医学の発展につながると考えております。また、トップアスリートだけではなくスポーツ愛好家や市民、障がい者スポーツに関わる方に対し運動器を中心に関与し、トータルに評価・指導できるスポーツ医の育成にも学会全体で取り組み、スポーツドクターのみならずメディカルスタッフの育成や市民への啓発活動を行っていきたいと思います。
スポーツ医学に関し外傷・障害が発生した場合、早期診断・早期治療が重要なことは至極当然ですが、予防医学により一層重点をおく時期がきていると思います。学童期からの運動・スポーツや学校検診を通して、日本整形外科学会の進めるロコモティブシンドロームの啓発や予防にも貢献したいと考えています。また、障害予防を進めることで、外傷や障害のために運動やスポーツ活動を断念せざるをえなくなる選手やスポーツ愛好家を減らせればとも思っております。 上述しましたことを実行するためにも、教育・研究・臨床を通して運動器の観点から多面的にスポーツ医学について発表および議論する場としての本学会は大変重要と考えていますし、その使命もあります。また、会員相互の親睦のためにも本学会は必要不可欠と考えております。今後JOSKASと合同の学会開催など様々な課題については、会員の皆様と相談しながら解決していく所存ですので、どうぞよろしくお願い致します。
浅学非才の身ではございますが、本学会の伝統を継承し、ますます発展できますよう誠心誠意努力する所存です。どうかご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会理事長
(宮崎大学医学部整形外科講座教授)
帖佐 悦男